まずは概要と現状を知る
新型コロナウイルスの影響もあり感染症について意識する人が増えています。患者さんと接する機会が一番多い看護師は感染リスクが高いため、予防のために感染症について正しい知識を得ようとしている看護師も少なくありません。ここでは感染症に興味がある看護師に向けて感染症の概要を詳しく解説し、今問題となっている新型コロナウイルスの影響などをまとめています。新型コロナウイルスに対する意識が強いため感染症といえば未知のウイルスを思い浮かべる人もいますが、病原体は日常生活の中にも潜んでいます。
-
そもそも感染症とは?
病原体が体内に侵入し発熱や嘔吐などの症状を引き起こす病気のことを感染症といいます。看護師なら感染症の知識を持っているのは当然のことですが、世の中には様々な病原体が存在し、病原体の種類ごとに症状や治療法、予防策は異なります。今一度、感染症の種類についておさらいしておきましょう。また、感染症を引き起こす病原体は身近なところにも潜んでいます。通常は身体の免疫力が勝っているため疾患を発症するまでには至りませんが、体調を崩すと病原体の増殖が抑えられなくなるためさまざまな症状が現れます。
-
新型コロナウイルスについて
感染症と聞いてすぐに思い浮かぶのは、世界中を震撼させている新型コロナウイルスではないでしょうか。中国を起点に世界中に拡大した新型コロナウイルスですが、残念ながら未だに原因は特定されておらず、治療法も確立されていません。新型コロナウイルスの潜伏期間はおおよそ1日~12.5日だとされているため、感染後は14日間隔離して経過を観察することになります。しかし、通常の肺炎とは違い、症状が軽い人や無症状の人も多いため感染しているという自覚がないまま行動している人も少なくありません。
-
現場の看護師はどうなっている?
新型コロナウイルスに感染した場合は症状の程度に合わせた処置をとります。重症化している人は病院などの医療施設に運ばれ看護師が中心となってケアしていきますが、明確な治療法がなく対症療法しかできないため、身近にいる看護師の感染リスクは一般の人に比べて高めです。しかも、身を守る防護用品は不足しており、現場で働く看護師は感染の恐怖と戦いながら治療にあたっています。また、新型コロナウイルスに対する世間の風評被害もあり、メンタルヘルスに変調をきたしている看護師もいます。
-
身近な感染症
病原体となるウイルスや細菌は日常生活の中にも潜んでいます。そのため、知らないうちに感染症にかかっていることがあります。どれも軽度な物ばかりですが、身の回りを清潔に保つなど衛生管理を徹底することで感染リスクを下げることができます。身近な感染症の代表格といえば「風邪」でしょう。誰もが一度はかかったことがあるはずです。風邪は正式には風邪症候群といいます。病原体に感染する部位によって症状が異なり、のどなどの粘膜に感染すると発熱や鼻水などの症状が、消化器官に感染すると下痢や嘔吐などの症状が出ます。