そもそも感染症とは?
体内に細菌やウイルスなどの病原体が入り込むことによってさまざまな疾患を発症する病気のことを「感染症」といいます。世の中には数多くの感染症があり、それぞれ症状や特徴、体内に病原体が侵入する経路は異なります。そのため、予防策も当然異なります。
感染症とはどのような病気なのか
感染症とは、空気や水、土、人や動物に潜んでいる病原体が体内に侵入することによって引き起こされる病気のことです。病原体、つまりウイルスなどの微生物が人の体内に侵入すると、発熱や腹痛、下痢、嘔吐、皮疹などさまざまな症状が出ます。体内に侵入した病原体は増殖し、唾液や便、鼻水、痰などと一緒に体外に排出され、そこからまた別の人の体内に入り込んで増殖します。これを繰り返すことによって感染症が広範囲に広がっていくのです。
数多くの病原体が身近に潜んでいる
感染症を引き起こす病原体は身近なところに潜んでいます。例えば、誰もが一度はひいたことがある風邪も感染症のひとつです。風邪をひくと、のどの痛みや発熱、下痢や嘔吐といった症状に悩まされますが、これらはウイルスが体内に侵入してさまざまな疾患を引き起こしているからです。ウイルスから感染する病気は、風邪以外にもインフルエンザウイルスやノロウイルスなどがあります。また、腸管出血性大腸菌やコレラ菌など細菌が原因で感染する病気もありますが、カンジダや水虫などカビや酵母などの真菌類も感染症を引き起こすことがあります。しかし、これらの真菌類は健康な人の皮膚や口の中にも存在します。通常は身体の免疫力の方が勝っているため真菌の増殖は抑えられています。しかし、疲れがたまった時や体調を崩した時など免疫力が低下していると真菌の増殖が抑えられなくなり、さまざまな症状を引き起こすようになります。
他にも、マイコプラズマやクラミジア、スピロヘータなど特殊な微生物を原因とする感染症や衛生環境が悪い地域では回虫やぎょう虫などの寄生虫による感染症もあります。
病原体の数だけ感染症の種類がある
私たちの身のまわりには数多くの病原体が潜んでおり、病原体の数ごとにさまざまな感染症があります。日本には感染症を予防し、広範囲に広がった時に正しく対処できるように定めた「感染症法」という法律があります。感染症法では世の中にあるさまざまな感染症を、感染力の強さなどによって「一類感染症」「二類感染症」「三類感染症」「四類感染症」「五類感染症」「新型インフルエンザ等感染症」「指定感染症」「新感染症」の8つの種類に分類し、感染の拡大を防ぐために種類ごとに入院勧告や就業制限などの措置をとっています。